介護老人保健施設(老健)で社会福祉士として支援相談員をしています。
実際に勤めるまで介護老人保健施設の役割をちゃんと理解できていませんでした。
単に「リハビリをして家に帰るための施設」と考えていました。
介護老人保健施設の役割は5つあります。
①包括的ケアサービス施設
②リハビリテーション施設
③在宅復帰施設
④在宅生活支援施設
⑤地域に根ざした施設
以上、5つの役割を支援相談員としては理解し、すぐに答えられるようになる必要があります。
老健には他の高齢者施設(サービス付き高齢者向け住宅、有料老人ホームなど)と比べて、たくさんの専門職がいます。
医師、看護師、介護士、リハビリ職員(ST・OT・PT)、管理栄養士、歯科衛生士、支援相談員がそれぞれの専門的な知識と技術で利用者さん、ご家族の支援を行います。
リハビリをして自宅に帰るための施設だけではなく、家に帰ってからも在宅での生活を長く継続できるように、通所リハビリテーション、短期入所(ショートステイ)のサービスがあります。
老健の1番の目標は自宅に帰ることです。
この目標は常に頭に置いて、短期間でもいいので自宅に帰り生活できるように支援します。
居宅サービスを利用しながら自宅で生活し、どうしてもしんどくなったときには再入所することができます。
自宅と施設を繰り返しながら、住み慣れた地域で生活を送ることができます。
老健の”入所期間は3ヶ月”とよく言われますが、法律で決まっているわけではありません。
利用者さんの状態やご家族の状況に応じて入所期間は変わります。
老健からサービス付き高齢者向け住宅に退所された利用者さんのご家族から相談がありました。
「決まった時間にしかトイレ介助してもらえない。オムツの中ではできるだけしたくないと思っていてトイレに行きたくて泣いている。再入所させてもらえないか?」という内容でした。
サービス付き高齢者向け住宅は施設というよりは、バリアフリーの住宅という感じです。
その住宅にホームヘルパーや訪問看護などが、ケアプランで決められた時間に訪問してくれるという状態です。
老健は常に介護士、看護師がいて、日中は居室ではなくフロアで皆んなと過ごすので1人になる時間は少ないです。
その方は再入所され、老健にいながら他の施設を探して退所されました。
また、老健はリハビリ以外にもターミナルケア(看取り)も実施しています。
最終的にはどうしても高齢なため身体機能が低下していきます。
そうなったときに最後の日をどのように迎えたいか考えるお手伝いもさせていただきます。
最後を穏やかに迎えてほしいというご家族の思いを重視し対応することができます。
看取りは施設だけではなく自宅で行うこともできます。
その際は老健の職員と居宅ケアマネジャー、訪問看護などの居宅サービスと連携を行い居宅でのケアをお手伝いさせていただきます。
ご家族と施設との信頼関係ができてから、この最後をどのように迎えたいかというお話が出来るようになればいいなと思っています。
老健の役割を知ってもらい、たくさんの方に利用していただけるように頑張りたいと思います。
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