社会福祉士の役割は「相談」「連携」「支援」です。
相手が何に困っているのか、最終どうなりたいのか相談の中で理解し、問題解決のために必要な専門職、関係機関と連携しながら支援を行います。
まず最初の相談でつまづいては何もはじまりません。
「話し方」や「説明の仕方」をテーマにした本は本屋に行けばたくさん目につきます。
しかし相談に特化した本は初めてだったので表紙を見た瞬間に購入を決めました。
「相談力」入門〜相談援助職のためのコミュニケーションスキル36〜(中央法規)
この本は対人援助職には不可欠な「相談力」について36のスキルが紹介されています。
相談対応は勉強して学ぶのではなくその人が持っているセンスだと思っていました。
持って生まれたもので特別に何かをしなくても話が上手い人は本当にうらやましいと思っていました。
子どもの頃から話し下手なので、人一倍経験を重ねて相談対応を学ばなければ対人援助職としてやっていけないと悩んだこともあります。
本には具体的な方法が記されていて、明日からでも業務で試すことができます。
生まれ持ったセンスではなく学んで試すことで自分のスキルになるとわかりました。
私が一番身につけたいと思ったスキルが
“話の三つの要素を把握する”です。
10年以上、相談業務に携わる中で、“相談者は話がまとまっていないことがほとんど”だということがわかりました。
相談者は主に家族さんです。
家族さんが施設に相談に来られた際に、本人さんの普段の様子などををこちらに全て伝えようとたくさんの情報を教えてくださいます。
相談を受ける側としてはその話の中で三つの要素に分類して整理しないとしっかりと相談内容を理解することができません。
三つの要素とは「事実」「推定」「感情」です。
「事実」とは解釈の余地がないことがらです。
例えば既往歴、服薬内容、入院期間などは事実です。
「推定」とは事実でなはいことがら、あるいは事実かどうかわからないことがらです。
そこに解釈や判断が入ってきます。
食欲がないのは年齢のせいだと思う(疾患の影響も考えられる)
夜間の不穏は寂しいからだと思う(周りの物音など他の理由も考えられる)
このようなことがらも「推定」です。
「感情」とは、相談者の心や気持ちの部分です。
相談に来た際の気持ちの「困った」「どうにかして欲しい」という気持ちが話を進めていくうちに変化していくのを確認していきます。
「これならできそう」から「やってみよう」に変化し解決していくことが相談者の望みです。
相談者からの話を三つの要素に整理して、問題点を明確にし、相談者が変化していく過程のお手伝いをしていきます。
相談力は実践を重ねる毎に向上していきます。
学んだことを日々の相談援助に取り入れて自分のスキルにしていきたいと思います。
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