私は介護老人保健施設(老健)で支援相談員として勤めています。
自宅に退所するのが困難な場合は、ご家族に施設を紹介します。
支援相談員が数カ所の施設パンフレットを取り寄せてご家族に施設選びの参考になるようにお渡しします。
その後、ご家族が気になる施設に問い合わせて、見学に行っていただきます。
紹介業者を利用するメリット
ご家族も高齢で施設見学に行くのが大変だったり、施設入所後の住所変更などの手続きにお手伝いが必要な場合は施設の紹介業者を利用することがあります。
料金や医療対応、緊急時の対応などのご家族の希望や利用者ご本人の身体状況に合った施設を紹介していただきます。
見学も車で送迎していただき、施設とご家族の間に入って手続きをしたり、役所の手続きもお手伝いをしていただけます。
本来なら相談員やご家族がすることを紹介業者のかたが担ってくれます。
ご家族、私たち相談員としても非常に助かります。
紹介業者を利用するデメリット
ただ、施設の職員と直接関わる機会が少ないので、ご本人の情報がしっかり先方に伝わっているのか少し不安があります。
また紹介業者を利用すると相談してから入所するまでにかかる期間が短いです。
要領よくスピーディーに進めていただけるので急いでいる場合はありがたいのです。
しかし、話がどんどん進んでいくことに不安を感じるご家族もいます。
事例
こちらも十分に利用者さんの情報を先方に伝えられないまま施設入所まで進んでしまい、相談員として後になって反省することがありました。
紹介していただいた施設は住宅型有料老人ホームでした。
当施設退所後に紹介業者のかたから私に電話がありました。
老健に入所していた時から特別養護老人ホーム(特養)の申し込みをしていたため、住宅型有料老人ホームに入所してから2ヶ月後に特養入所の案内があったとのことでした。
「何が問題なの??」
と電話をもらった時に思いました。
住宅型有料老人ホーム側は「特養に申し込みをしていたなんて知らされてなかった。紹介業者に支払った料金を返してもらうことになるかもしれない」と言われたとの内容でした。
紹介業者のかたは「老健にも一応このようなことがあったのでお伝えしておこうと思いまして‥。」と言われました。
その後、有料老人ホームに紹介業者から返金したかはわかりません。
注意点・まとめ
紹介業者を利用することはご家族にとても役立ちます。
紹介業者利用の注意点はすべて紹介業者に任せるのではなく、こちらからも施設側にご本人さんの情報をしっかり伝えることです。
また、ご家族にも施設入所で話をすすめていく過程で困っていることやわからないことがないか確認することも大切です。
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