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認知症高齢者を地域で支えよう!

福祉制度・社会資源

2023年6月22日、警察庁は認知症高齢者の行方不明者が昨年の1年間で1万8709人にのぼったと明らかにしました。

10年前と比べて2倍に増加しています。

私が支援相談員として勤めている介護老人保健施設(老健)には一人暮らしの認知症の方の入所相談がよくあります。

相談元は離れて暮らすご家族や居宅ケアマネージャー、地域包括支援センターなどからです。

地域包括支援センターは地域の方からの相談を受け付けており、支援が必要な方なのか自宅訪問をして確認し、介入が必要であれば老健などの施設に繋げる役目があります。

1人で外出して自宅の場所がわからず、不安になって複数の住宅のインターフォンを鳴らして警察に保護されることが頻回にある方が、地域包括支援センターからの紹介で当施設に入所されました。

ご家族は他府県に住んでいるためご本人とはあまり会っておらず認知症がここまで進んでいることを把握できていませんでした。

1人で外出して交通事故に遭う可能性も充分考えられます。

歩行能力に問題ない方なのでそのまま歩き続けて遠くまで行ってしまう可能性もあります。

食事は近所のパン屋さんでハムサンドを買って食べていました。

しかし毎日ではなかったようです。

何ヶ月も入浴していなかったため施設入所当日に入浴していただきました。

栄養管理された食事を食べて体力を付け、リハビリで身体能力を向上させてから住宅型有料老人ホームに入所されました。

市役所や区役所には徘徊のおそれがある認知症高齢者の早期発見を可能とする仕組みがあります。

私が住む市でも「SOSネットワーク」というサポートシステムがあり、市内の公共機関、介護事業所などが情報共有して認知症高齢者を早期に発見できるように取り組んでいます。

私が勤める老健にもSOSネットワークから行方不明になっている方の顔写真、身体の特徴や衣類など失踪時の情報をまとめたものがFAXで送信されてきました。

警察や家族だけで発見するのは困難ですが、地域にある施設が協力することで早期発見に繋がります。

老健に入所し、入所期間中にゆっくり今後のことを考えていただきたいです。

自宅に帰り、また単身生活に戻ることは難しいです。

ご本人に合った生活施設をご家族と一緒に探していきます。

認知症高齢者の徘徊で悩んでいるご家族には地域で取り組んでいる支援について役所に確認したり、広報誌を確認したり老健を頼っていただきたいと思います。

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