私は介護老人保健施設(老健)で支援相談員をしています。
利用者さんの退所支援で在宅に帰れない場合は有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅などを提案します。
施設の中には住所地特例の施設もあります。
住所地特例とは転居先の住所地ではなく元々在住していた市町村が保険者になる制度です。
介護保険は住民票のある市町村が保険者になるのが原則です。
この原則だと介護施設がある市町村に給付費の負担が偏ってしまいます。
特定の市町村に負担が偏らないように住所地特例の制度があります。
私を含めた施設職員、ご家族との面談で退所先についての話し合いをしました。
リハビリ的にはゴールで安定して歩けるようになり、排泄動作も自立になったので老健としては在宅復帰可能であると判断していました。
ご家族は日中仕事で不在になりご本人が1人で過ごす時間が長くなるため在宅復帰には不安がありました。
生活施設への入所をすすめていくことになりました。
基本、施設探しはインターネットを活用するなどして、ご家族にお願いしています。
しかし、「検索するとたくさん施設が出てきてどの施設にして良いかわからない」「いくつか良いと思う施設を紹介してほしい」とのご相談がありました。
サービス付き高齢者向け住宅、有料老人ホームは料金が高く、ご本人の年金では足らないため、生活保護と年金の併用で入所できる施設を探すことになりました。
ご家族に紹介した施設が住所地特例の住宅型有料老人ホームでした。
ご家族は見学に行き、施設の雰囲気やサービス内容を確認したうえで申し込まれました。
老健退所日当日に住所地のA市から施設があるB市に住所変更しました。
住所がB市になりましたが介護保険の保険者はA市のままです。
住宅型有料老人ホーム入所日当日に生活保護の申請をB市で行いました。
住所地特例の施設なので保護の実施機関もA市だと思いきや、生活保護はB市が保護の実施機関になりました。
介護保険はA市、生活保護はB市とバラバラになっているのでややこしいです。
私が住所地特例の施設とは知らずに紹介してしまったため、ご家族の手続きがややこしくなり申し訳なく思いました。
最初から住所地特例の施設だと把握していれば事前にご家族に詳しく説明できたのに‥と後悔しました。
紹介する前に紹介先の施設と何度かやり取りをしていたのですが、住所地特例なのかということは確認できていませんでした。
こちらから施設を紹介する機会が今後もたくさんあるため気をつけたいと思いました。
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