2024年に介護保険法の改正が行われます。
この改正で要介護1、要介護2の方も特別養護老人ホーム(特養)に入所できるチャンスが訪れます。
介護保険法は1997年12月9日に成立し、2000年4月1日に施行されました。
2005年6月22日、介護保険法改正法案が、参議院本会議で成立しました。
その後は3年毎に改正が行われています。
2014年の改正で特養が既存の入居者およびやむを得ない理由を除き、原則として要介護度3以上の利用者の受け入れに限定されるようになりました。
要介護3以上の高齢者に限定することで、在宅での生活が困難な中重度の要介護者を支える施設としての機能に重点化を図ることになりました。
私が勤める介護老人保健施設(老健)では、退所先として特養に申し込んでいる要介護1、要介護2の利用者さんも多数いました。
金銭的な問題で有料老人ホームに申し込むことができず、特養を選んでいました。
2014年の改正(2015年4月施行)から元々申し込んでいた要介護1、要介護2の利用者さんは申し込みを取り消しにされたような状態になりました。
厚生労働省は2022年12月23日、特養への入所を望んでいる待機者について最新の調査結果を公表しました。
2022年4月1日時点の待機者数は全国に27.5万人。3年前の2019年度調査から5.1万人減少しています。
私が住んでいる地域では3年程の間に有料老人ホーム、サービス付き高齢者住宅が6施設増えました。
全国的にもこのような生活施設が増えた影響で特養の待機者が減少しているように思います。
厚生労働省は2024年度に控える次の介護保険制度改正を進めている審議会で、原則として要介護3以上となっている特養の入所基準を取り上げました。
要介護1と2の高齢者でも施設へ入れるようにする「特例入所」について、その趣旨を改めて明確化するための周知を行うと説明されました。
要介護3以上の原則が厳しく適用され、要件を満たしていても「特例入所」が認められない地域があると指摘されていることを踏まえ、個々の実情に応じた柔軟な運用が可能だと改めて強調する考えです。
特別養護老人ホームの「特例入所」は、
① 認知症や知的障害、精神障害などにより、日常生活に支障をきたすような症状・行動が頻繁に見られ、在宅生活の維持が困難な状態
②家族による深刻な虐待が疑われるなど、心身の安全・安心の確保が困難な状態
③ 家族による支援が期待できず、地域での介護サービスや生活支援の提供も十分に期待できないことなどにより、在宅生活の維持が困難な状態
などが該当すると規定されています。
厚労省はこうしたルールを、より分かりやすく具体的に示す方針です。
確かに曖昧でわかりにくく、「特例入所」が機能しているか疑問です。
③なんてほとんどの利用者さんが当てはまる気がします。
実際、「特例入所」で特養に申し込んでいる利用者さんもいますが、全く順番が回ってきません。
「特例入所」の範囲を広げて受け入れ対象を広げるとなれば、行き場所のない利用者さんが申し込みできるようになります。
利用者さんにとっては良いことだと思います。
老健にとっては、直接特養に入所できるようになると申込者が減少する心配もあります。
2024年改正による特養の変化で老健にどのような影響があるのか勉強していきたいと思います。
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